破壊ではなく創造で
子供たちから学んだこと。
中国に一年間留学している時に、ある留学生団体に所属していました。
その団体の主な活動は、日本人留学生を中国の農村部(いわゆる貧困地域と呼ばれる地区)に連れて行き、
実際の農村地域の現状を目で見て肌で感じてもらったり、その土地にある小学校に訪問して子供たちと交流してもらったりすること。
子供たちと交流する中で大切なことを教えてもらいました。
中国の子供たちに日本文化を知ってもらいたいとの目的で、けん玉やダルマ落としなどの日本のおもちゃで一緒に遊ぶという時間がありました。
子供たちは面白いもので、興味があるものに飛びつきます。最初にけん玉を紹介すると、みんな目を輝かせて「やってみたい!!」と騒ぎ出します。上手くいってもいかなくても、みんなケラケラ笑いながら遊んでいました。
しばらくして他のスタッフがダルマ落としを始めると、今まで大はしゃぎで遊んでいたけん玉を放りなげて、全員がダルマ落としに釘付けになりました。
これが純粋無垢な子供たちの凄いところ。この時に自分は、今に繋がる大きな気づきを得ました。
僕は留学中、時間があり余っていました。
そのあり余る時間の中、ネットでたくさんの‘‘ネガティブ’’な情報に触れました。
いわゆる陰謀論のようなこと、大きなお金の流れや世界の構造や仕組み、人の心を明るくすることはできない情報。
そんな情報に触れ続けた結果、心がすさみ、虚しくなり、「なんて世界に生きているのだろうか」と絶望するようになっていました。
現在の仕組みや構造をぶっ壊さない限り、明るい未来はないだろうと本気で思っていました。
どうしたら変えれるか、どうしたら壊せるか、そんなことばかり考えていました。つまり、何かを破壊するためにエネルギーを使っていました。
しかし、そんな時にさっきの子供たちとの触れ合いがあり、彼らは自分に大きな気づきを与えてくれました。
破壊せずとも、何か新しい本質的なものが生まれれば、自然と人はそこに集まる、と。
けん玉をしていた子供たちは、新しく出てきたダルマ落としに目を奪われ、そして動きました。
けん玉を壊した訳ではなく、ただ新しいおもちゃが出てきたから。
何かを破壊しようと思っていた自分は、ハッとさせられました。
そして、「今あるネガティブな仕組みを破壊するためではなく、新しい何か豊かな仕組みを創造するためにエネルギーを使おう」と意識を変えました。
破壊する必要はない、新しく創造すれば良いだけ。破壊的なエネルギーでは、豊かな未来は創れない。
そんなことを子供たちから教えてもらった気がします。
これまでもこれからも、子供たちは世界共通で最強の存在です。純粋無垢な子供たちのために豊かな未来を創っていきましょう。